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2008年12月31日(水) 大晦日
   
いよいよ大晦日。クリスマス過ぎから気温はじりじりと下がり、29日からはついに日中もマイナスの気温になりました。−10℃や15℃が普通だった頃に比べたらずっと暖かいのに、ここ数年の暖冬に慣れてしまった身には寒さがこたえます。マイナスになると肌に触れる空気が刺すようです。

   27日には友人カップルを招いてのワッフルパーティー。28日は外で久しぶりに友人に会っておしゃべり。後は年賀状書きや、掃除や、ミュージカルコンサートのための暗譜で過ぎて行きました。

 大晦日といえば、大掃除、年越しそば、おせち料理作り、「紅白歌合戦」に「行く年来る年」、そして除夜の鐘が懐かしく思い出されます。こちらの大晦日はシュテファン寺院横グラーベンと市庁舎前広場のカウントダウン、年明けを告げるシュテファン寺院の鐘、プメリン。同時にテレビから流れ出す「美しき青きドナウ」。絶え間なく打ち上げられる花火。あらゆる通りで鳴らされる爆竹の音。音のにぎやかな年明けです。我が家の居間の窓は、花火鑑賞に絶好の場所にあるので、今日はテレビと窓からの花火鑑賞で静かに新年を迎えるつもりです。

  皆さま、今年一年、当HPをお訪ね下さいましてありがとうございました。掲示板への書き込み、メールもとても嬉しい体験でした。皆さんの応援、支援のおかげで、元気に一年を過ごすことができました。ありがとうございました。新年も引き続き、どうぞよろしくお付き合いのほど、お願い致します。

 

   皆さま、どうぞよいお正月をお迎え下さい。

          


 2008年12月25日(水) 
クリスマス
   
今日は昨日の疲れ休みの日。テレビでクリスマスミサの中継を見ました。
午後は散歩に行きましたが、いつもはものすごい交通量の通りなのに、今日は車の数が目立って少ないので、驚きました。みんな昨日夜中までお祝いしたので、まだ午後早いあの時間には、疲れてごろごろしていたんだろうな。

2008年12月24日(火) クリスマス・イヴ

              

   
午前中は、私としてはがんばって早起きし、病院に行き、合唱団で病棟を回りながら、1時間半ほどクリスマスの歌を届けて来ました。患者さんも病院のスタッフもとても喜んでくれて、こちらもとても嬉しくなりました。廊下まで出て来て聞いてくれたり、ベッドから手を振ってくれたり。病院でも、クリスマスツリーを立て、廊下にクリスマスの飾り付けをし、看護婦さんもサンタさんの帽子をかぶったりして、家に帰れない患者さんの気持ちを少しでも明るくしようと努力していました。いつもお世話になっている病院のスタッフも、とても感じのよい人たちです。
   回った後は病院の食堂で、お昼ご飯をご馳走になりました。スープ、お魚のフライにご飯とゆでじゃがいも添え、それにサラダのおいしいお食事でした。

   午後は昨日焼いておいたスポンジに、チーズクリームを塗って仕上げ。
真っ白な表面には、キウイと刻んだ黄桃とで、飾りのついたクリスマスツリーを描きました。

 晩は、このケーキを持って、歩いて2分の友人宅のクリスマスパーティへ。
3人の友人たちには、前に焼いておいたチョコがけとココア味のスペシャルマフィンを包装して、ささやかなクリスマスプレゼントにしました。ご馳走を味わった後は、クリスマスツリーのろうそくに点火、雰囲気のある光を楽しみながら、ギターの伴奏で、ひとしきりクリスマスの歌を歌いました。その後はおしゃべり。ケーキも喜んでもらえて、腕を振るった甲斐がありました。よかったぁ!

   クリスマスイヴは、街が賑やかなのはお店が開いているお昼少し過ぎまで。クリスマスの買い物の最後のチャンスです。25,26日が祝日で、お店がお休みなので、食料品もたっぷり買い込んでおかなくてはなりません。イヴだけは、ほとんどの人が家族や親しい友人同士で自宅で祝うので、晩の街は静かです。レストランも24日だけはほとんど休みです。劇場も休演。(ただここ2,3年は、イヴの晩にお店を開けるレストランが出て来て、けっこう流行っているという話をついこの前、読みましたが)。キリスト教徒にとっては、イースターと並んで大きな意味のある日ですから、日頃教会に行かない人でも、イヴには晩や夜中のミサに行く人がたくさんいます。

 クリスマスツリーは24日に飾り、ツリーの下にプレゼントを置きます。ドイツ語圏では、サンタクロースではなくて、天使のイメージの幼子キリストがプレゼントを届けてくれるので、大人たちも自分宛のプレゼントは、「幼子キリストちゃん、ありがとう!」と言って、包みを開けます。

  25日からは、親戚同士や友人を招いてのパーティー三昧が始まります。今年は、25,26日の祝日の後が、土・日なので、4日間祝いっぱなしという人たちがかなりいるのではないかしら。もちろん劇場も賑わいます。クリスマス時期の出し物があるからです。オペラや演劇では、「ヘンゼルとグレーテル」、バレエの「くるみ割り人形」、また様々なクリスマス・コンサート。30,31日はニューイヤーコンサートのプレコンサート。大晦日は、オペレッタ「こうもり」。

2008年12月21日(日) 再びクリスマス市で歌う 

  

     
   
今日はアドヴェントの第4日曜日。クリスマス前最後の日曜日です。今日はクリスマス市での最後のコンサート。ウィーンの西端、23区のクリスマス市です。かなり風が強く体感温度が低いので、たくさん着込んだ上に、背中にホカロンをくっつけて行きました。運良くお天気はよく、なんと小さな舞台には屋根もついています!本当に小さかったので、最前列と指揮者は舞台の下に立つことになりました。歌っていると、楽譜が風にめくれて歌えなくなるので、歌い終わった順に楽譜を一番最後に入れながら歌いました。とても愛らしく飾り付けをした小さなクリスマス市でしたが、ものすごい賑わい。狭いこともあって、動きが取れない混雑振りです。

  たくさんのお客さんたちが寒さにもかかわらず、楽しそうに聞いてくれました。「ブラボー!」の声も飛び交って、私たちはニコニコ。このクリスマス市には初めての出演でしたが、来年も呼んでくれるかな? 歌い終わった後は、クリスマス市にパンチの屋台を出している、団員の奥さんから、みんな身体を温めるお酒やホットワイン、それからお手製のナッツ入りシュトゥルーデル(渦巻状にナッツを巻き込んだパン菓子)をごちそうになりました。その上、その団員から全員に男性はホワイトスピリッツ(強い蒸留酒)を、女性ははちみつをプレゼントされたの! ちゃんと一つ一つに、言葉と名前を添えた小さなカードがついていました!本当に心を込めて準備してくれたことが伝わって来て、みんな大感激しました。そして帰りは団員の一人が、「君の家の近くを通るから、乗っていかない?」と言ってくれて、もう一人の団員と一緒に、近くの駅まで送ってもらいました。

   歌っているうちに、指はかじかむわ、鼻水は出て来ちゃうわ、最後に終わったら、足がこわばっていて、すぐには舞台から下りられませんでした。でもこれで寒いところで歌うのはおしまい。今度は24日の病院訪問。私にとってはかなりの早起きをしなくちゃいけないけど、がんばろうっと。


   2008年12月17日(水)   熱と合唱ボツと仕事と
   11日に喜びのお知らせをしましたが、その翌日の土曜日の夜中に、今までの熱からは2週間遅れで微熱が出て来ました。土曜日の朝になると、あら、不思議! もう平熱に戻っています! でも、夕方になるとまた上がって来ました。多分これから熱が上がるぞ、でも週末は薬局はお休み、もしかして解熱剤が必要になるかも!今のうちに買っておかないと!とちょっとパニック状態になって、土曜日の晩、夜間に開いている薬局で、友人にホメオパシー(同種療法、漢方と原理は違いますが、やはり自然の植物、鉱物を薬の原料に使います)と普通の製薬の解熱剤を買って来てもらいました。

   そしてホメオパシーの薬を飲んで寝ると、翌日の日曜日にはまた平熱に戻っています!でもその薬のせいか、または前日から飲み始めた新しい漢方薬のせいか、とにかくものすごい疲労感なので、その日はまだ寝ていることにしてゆっくり休みました。で、月曜日にはもう起き上がりました。漢方薬も次々に変わるし、私の状態も変わって来ているので、どういう状態になるか、見当がつかなかったのですが、どうも熱は、次までの期間が伸びながら、かつ出ても早く回復するという形で、だんだん消えて行きそうです。だからもうそれほど長くはかからない、という気がしています! 今年はもう絶対無熱で年越しね!

 微熱騒ぎで、土曜日のシェーンブルンのクリスマス市と、日曜日の市庁舎でのアドヴェント合唱祭で歌うことができなくなってしまい、月曜日の合唱練習も体力がちゃんと回復していないので休ませてもらいました。

で、水曜日は合唱練習のあと、合唱団のクリスマス会。親しい人たちへの小さなクリスマスプレゼントも前から用意してあるし、やっと行ける!と喜んでいたら、月曜日の夕方に急ぎの仕事が入ってしまって、それもおじゃん。仕事が来たのは嬉しいけれど、あ〜あ、がっかり。

 で、やっと今さっき、夜10時半頃にメール添付で納入しました。さて、アドヴェントに歌うのは、あと21日(日)のクリスマス市と24日午前中の病院訪問の2回だけになりました。せめて最後の2回はしっかり参加したいな。

                                                       
 でも月曜の夜から、訳しっぱなしだったので、ああ、疲れた!とにかく、今日はもう寝ることにします。おやすみなさ〜い。

2008年12月11日(木) 漢方のお医者さんへ
   
今日は三度目の診察に行って来ました。今日で前の熱が出てから3週間後を過ぎてさらに10日経ちましたが、元気!「うん、よくなって来てるね。今までは主に解毒作用のある成分を処方してたけど、これからは免疫力をつけるのと、血液を改善する成分を主として処方していくことにしようね」と先生。

   次回は直前に血液検査をしてからその結果を持って、6週間後位に行くことになりました。ただし、今飲んでいる薬が明日でなくなるのですが、新しく処方する薬を飲んでの経過を一週間後にファックスで報告します。それによって必要ならさらに新しい薬を処方、そうでなければ同じものをもう一度調合してもらって飲みます。今日の結果を言えば、まずは切迫した状態は過ぎて、じっくり病気と取り組んでいける状態に来たということですよね! こんなに早く!

   今までの約3週間毎の熱は、排泄しなければならない成分(エネルギー)が出られずに溜まってしまい、その量が限界を超えてしまうと、身体が何とかしてそれを排泄しようとして熱を出し、一時的には収まるけれども、また有毒成分(エネルギー)が溜まって来て熱を出すということを繰り返したと考えてよいのでしょうか、と尋ねると、「そう思っていいと思います」というお答えでした。漢方は基本的にエネルギー医学なんですね!最新の生物物理学の成果と密接な関係にあるエネルギー医学的な考え方が2000年前にもうあったなんて、本当に驚きます。
もっとも、熱ければ冷やし、冷えていれば温めてバランスを回復させるという考え方は、東洋的発想からすればごく自然と言えるのかもという気もします。鍼だって、エネルギーの出入り口であるツボから、そこにつながる器官のエネルギーが過剰であれば取り、足りなければ補ってやるのですから。

 とにかく今日は嬉しくって、帰りはお寿司を食べに行ってしまいました!そして今年いっぱい無理をせず、体調に気をつけながら、このまま無熱かつ元気に年越しをするぞ!そして来年はうんと元気になるぞ!と誓ったことでした。


 2008年12月6日(土) 合唱団、クリスマス市で歌う 
 
        
      
シェーンブルン宮殿前のクリスマス市。ツリーの前が野外舞台。

  
今日はシェーンブルン宮殿前広場のクリスマス市で歌って来ました。11月22日のオープニングの時は体調が回復していなくて参加できなかったので、私にとってクリスマス市で歌うのは、今年は今日が初めてでした。

  12月1日が前の熱が出てから3週間目だったので、大丈夫かどうかドキドキしていましたが、無事熱も出ずに過ごし、ついに今日のクリスマス市でのアドヴェントコンサートにも参加できました! いつも通りだったら今頃はやっと熱が下がった頃。この前の熱が副腎皮質ホルモン剤を使わずに下がったことといい、今日まで熱が出ないで済んでいることといい、こんなに早くそんな日が来るとは思っていなかったので、本当にびっくりするやら嬉しいやら! しかも漢方薬を飲み始めて以来、だんだん楽になって来たとは言え、ずっと疲労感がありましたが、昨日は初めて内側から体力が湧き上がって来たような気がして、つい結構体力の要る手洗いの洗濯と、雑巾で台所の床の拭き掃除までしてしまいました。心の底からしみじみと嬉しいです。

 さて、コンサートの方はと言えば、午後5時過ぎから1時間弱、古典的なクリスマスの歌、オーストリア各地方の方言で歌うクリスマスソング、モーツァルトやメンデルスゾーンのクリスマスソング、世界的に親しまれている『ウィンターワンダーランド』や『赤鼻のトナカイさん』などを、アカペラで歌いました。今日は比較的暖かったせいか(8℃くらい)、たくさんのお客さんが熱心に聞いてくれて、前の人たちはリズムに合わせて、身体まで動かして楽しそうにしてくれていたので、こちらもとても嬉しくなりました。雨も降らなかったし、去年よりずっと暖かくて、本当にホッとしました。

 それでも1時間近くもじっと立っていると身体が相当冷えますから、終わった後は、聞きに来てくれた友人たちと一緒に、さっそく宮殿内のカフェに行って、熱いハーヴティーを飲み、身体を温めながら、楽しいおしゃべりの時間を過ごしました。

  来週の土曜日も同じ時間に同じ場所でまた歌います。来週も余り寒くありませんように!それから雨が降りませんように!

2008年11月30日(日) アドヴェント第1の日曜日

 

 今日からアドヴェント(待降節)が始まりました。クリスマス前の4回の日曜日を含む約4週間のクリスマス準備期間を言います。もみの木の葉環に4本のろうそくを立てたアドヴェントクランツを飾り、最初の日曜日には1本のろうそくに、次の日曜日は2本のろうそくに火をともし、4回目、最後のアドヴェントの日曜日には4本全部のろうそくに火をともします。この写真はアドヴェント最後の日曜日に撮ったものなので4本全部に火がともっています。(今、撮った画像の処理ができない状態なので、古い写真でごめんなさい。)

  宗教的には、キリスト降誕の意味を考えながら、心してクリスマスを待つということになりますが、子どもたちにとっては、もう幾つ寝るとクリスマス〜♪とワクワクしながら、クリスマスへの思いを大きく膨らませていく時期です。この時期には、あちこちの広場でアドヴェントマーケット(クリスマス市)が開かれ、ツリーの飾りやその他のクリスマス用品が売られ、寒い外で身体を温めるためのグリューワイン(薬草入りのホットワイン)やパンチも楽しみの一つです。ショッピングストリートはクリスマスイルミネーションに輝き、お店にはクリスマス用品、プレゼント用品が溢れます。

  多くの家庭でクリスマスクッキーを手作りするので、スーパーはクリスマスのお菓子作り用品がいっぱい。私はしばらく甘いものを食べてはいけないことになったので、今年はクッキー作りはしませんけれど、でも友人宅で開かれるクリスマスパーティーには腕を振るってクリスマスケーキを焼いていきます! 何しろ最近初めてスポンジケーキ作りが大成功したので、忘れないうちにもう一度作りたいわけね。でも我が家にもお客様用のクリスマスチョコレートはいっぱいかごに入れて用意してあります。

2008年11月24日(月) 漢方ってすごい!
  
考えてみると漢方医を訪ねたのは、まだほんの半月ちょっと前(11月6日)のことなのに、その後に起こったことが余りにもびっくり体験ばかりなので、まるでもう何ヶ月も経ったような気がしています。

   初診では、まず一時間くらい色々な質問を受けて、それから丁寧に脈診、舌診、腹診。その後、生薬の方が効くのが早いからと言って、生薬を処方して下さいました。漢方薬を調合してくれる薬局があって、お医者さんから処方箋をメールで薬局に送り、出来上がると、私のところに電話をくれるので、取りに行くというやり方です。すごい茶色の苦〜い液を、冷蔵庫に入れて置き、1日量70mlを2回、あるいは3回に分けて、同量のお湯で薄めて飲みます。

   身体が混乱状態なので、まず一週間分出すから、飲み終わったら、メールで報告を下さい、それによってまた処方を変えますとお医者さん。

   最初の薬を飲み始めたら、ものすごい疲労感に襲われました。目の芯がものすごく痛くて、とてもパソコンに向かえません。でも胃炎のシクシクした痛みはほとんどなくなりました。飲み始めて3日目、前の熱が出てからほぼきっかり3週間目に熱が出ました。それが11月10日(月)。14日(金)には見事に熱が下がったのですが、まだ夜になると微熱が出て来ます。その様子をメールに書いて送ると、翌日は別の生薬を処方して下さいました。このまま何日も上がったり、下がったりするのかなあ、どうしよう、仕事納めなくちゃいけないのにと、ちょっと不安でしたが、次の薬を飲み始めると、さらに35.5℃くらいと低い私の平熱まで下がり、17日(月)には一日中、その体温を保ちました!疲労感も少しずつ楽になっていきました。

   18日には再びお医者さんに行き、私の状態を説明してもらいました。漢方医学の証でいうと外側が寒、お腹の中が熱、でその間が湿という複雑なことになっているそうなんだけど、今の熱をどうにかできれば、再生不良性貧血も治っていくよ、そしてきっともうすぐ熱が出なくなるよ、という力強い言葉が聞けて、本当に嬉しく思いました。ひょっとするとあと何回か熱が出るかもしれないけれど、だいじょうぶ! 必ず出なくなるから、って。

   漢方薬を飲み始めてたったの10日で、今まで何十年もやめたいのにどうしても完全にはやめられないで来た副腎皮質ホルモン剤を全く飲まずに熱が下がってしまったわけで、まるで奇跡みたいです。その話を薬局の薬剤師さんにしたら、漢方医学から見ると別に奇跡なんかじゃありませんよ、ですって。

 漢方医学がこんなにすごいなんて、私も思っていなかったのですが、そう言えば日本では漢方と言うと、効き方が穏やかだから毒にはならないけど、でも風邪程度の病気に使うくらいの方がいい、それほど薬にもならないから、重い病気の時は、西洋医学の病院に行くべき、みたいな認識があったんでしたね。

  私自身は、西洋医学からは副腎皮質ホルモン剤を一生飲み続けるしかありません、とほっぽられて以来、東洋医学的な考え方や物理療法に関心を持って、食事療法、鍼灸、ヨガ、気功、呼吸法など色々と試しながら、熱の期間を次第に延ばして行き、何十年もかけて、やっとほとんど熱が出ない、従って副腎皮質ホルモン剤の服用量も1年に何十ミリグラムというところまで持って来たのでしたが、それがこの4月以来おじゃんになって、繰り返し熱が出るようになってしまったというわけでした。20年位前にも日本でしばらく漢方薬を飲んだことがあるのですが、何の役にも立たなかったので、その時以来、漢方ということは考えていなかったのです。漢方に通じる物理療法の方にばかり目が向いていました。

  でも漢方薬が効くかどうかは、お医者さんの優秀さによるのだと、今回よくわかりました。漢方の場合は、この検査結果ならこの薬、この病気ならこの薬というようには決めないし、身体を部品の集まりとして見るのではなく、心身の状態が一緒になって現れる身体の有機的な状況を総合的に把握するため、正しい診断をするのがものすごく難しく、膨大な医学的、薬学的知識と総合判断力、脈診、舌診、腹診からの身体の状態の判断力、それらに基づく勘などがないとできず、従ってその患者の今の状態にピッタリの薬を処方することができません。そして正しい薬を飲まなければ、効かないのは当たり前です。

  20年前の漢方薬が役に立たなかったのは、お医者さんが漢方の研究に余り熱心でなくて、薬の処方が正しくなかったせいだと思われます。

  今は3度目の薬を飲んでいます。今度のは粉で、お湯に溶かして飲みます。でもびっくりしたのは、漢方薬は効き方がすごくゆっくりだと一般には思われているけれど、全然そんなことない、ということ。一、二度飲んだだけで、すぐに身体の状態が変わったのがわかります。

  漢方医学がこれほど優れたものだとは、そんなわけで今まで私も思っていませんでした。本当に夢みたいです!でも自己免疫病の熱は副腎皮質ホルモン剤でしか下がらない、という考え方そのものがすでに西洋医学にはまった考え方だったわけですよね。副腎皮質ホルモン剤を完全にやめられれば、どれだけ身体の負担が減り、元気になれるか分かりません。そしてその後は、大元の病気である再生不良性貧血に挑戦。初めてちゃんと治る!という希望が出て来ました。熱心で、優秀な漢方の先生に出会えたことに感謝でいっぱいです。

  再生不良性貧血は白血病のいわば兄弟病で、完治するには、西洋医学では白血病と同じ骨髄移植しかないとされています。ただし発病2〜3年のうちに実施する必要があり、その場合は70%くらいの割合で治るそうですが、それを過ぎるとどんどん治癒率が落ちていくので、その場合は免疫抑制剤(副腎皮質ホルモン剤もその一つ)を使った治療をします。でもこの場合は完治は望めません。20万人に一人くらいの割合で現れる病気だそうです。

  先生のお話では、再生不良性貧血の子どもたちを治療されているそうですが、よい結果が出ていて、西洋医学の先生が、患者を送ってくることもあるそうです。

  お世話になっている漢方医は、まだ30代の終わりくらいの若いオーストリア人の先生で、奥さんが日本人。グラーツで西洋医学の勉強をした後、大阪と中国で漢方の勉強をされたそうです。ですから日本語もとても上手です。

 こんなにもバッチリの診断をして下さると、薬を飲むのが楽しみになって来ました。そして年越しの時、どんなところまでこぎつけているかも、楽しみになって来ました。

2008年11月22日(土) ウィーンに初雪!
   
ここ数日気温がグングン下がって来ていますが、土曜日は雪が降るでしょうという天気予報どおり、今朝、窓から覗いたら、建物の屋根と車の屋根が真っ白!気温は2℃。道路の雪は溶けていたので量的にはたいしたことはなかったのだけれど、その後も降り続き、強い風が吹いて一時は雪嵐のようでした。全国的に雪が降ったので、スキー場では60cmも雪が積もって大喜び。明日から開場するところもあるようです。

   さて今日はシェーンブルンのクリスマス市のオープニング。私たちの合唱団はオープニングで歌うことになっていました。私も出場するつもりだったのだけれど、今回は熱が下がるまでいつもより日にちもかかり、初めての漢方薬で体力もかなり消耗したので、まだ寒さの中に45分も立ちっぱなしで歌うのは危険と判断して、今回は休ませてもらうことにしました。でもみんなはどうしたかしら? このお天気の中でオープニングは本当に行われたのかどうか、もし行われたのなら、みんな風邪引かないで無事に務めを果たせたかどうか、お客さんは来てくれたのかどうかと、色々気になっています。早く報告メールが来るといいんだけど。

2008年11月17日(月) 熱、ついに完全に下がりました!
  
今日になったらガーンと体温が下がって、朝からもうすぐ午後3時になるいままでずっと平熱状態です! これでもう大丈夫なようです。ああ、よかった! とにかく全部新しいことだらけなので、身体も慣れるのに大変なのでしょう。また明日お医者さんに行くことになっているので、検査結果をどう見るかも含めて、また色々なことが聞けると思います。またご報告致します。みなさん、ご心配、応援、本当にありがとうございました。どうぞご安心ください。お返事も仕事を納入しだい、お送りして行くつもりです。

2008年11月16日(日) その後
   
今度の熱は、少し遅れて来るのではないかという予想を裏切って、ほぼかっきり3週間後の10日にやって来ました。そしてみごとに14日(金)に副腎皮質ホルモン剤を全く飲むことなしに平熱に戻りました! これはもう、信じられないような成果です! が、今のところ夜になると微熱が出て来るのを繰り返していて、しかも平熱から体温が上がり始める時間がだんだん早くなって来ているので、起き上がって、日常生活体制に入ることができません。漢方では熱があるなら解熱剤と言う処方の仕方はしませんから、生薬を飲みつつ経過を待つしかなく、こちらも仕事の締め切りが迫っているので、正直言って焦っています。本来は身体のテンポに合わせた漢方のやり方がよいのは分かっているとはいえ、現実に生活しなければならないこともどうしようもない事実なので、体温を測りつつ、これは仕事に突進しちゃうしか仕方がないかな、と思案中です。

   そういうわけで、みなさんから頂いたお便りへのお返事が出せないでいます。本当に申し訳ありませんが、どうかもう少しお待ち下さるようお願い致します。

2008年11月07日(金) 漢方医
  
 昨日、待ちに待った漢方のお医者さんのところに行って来ました。一時間ほど色々質問を受け、脈診、舌診、腹診、それから聴診器を使って心臓、肺と丁寧に診察してくれました。そして最後に「大丈夫、漢方で治るよ!漢方こそピッタリだ!」という嬉しい言葉。彼の患者に、再生不良貧血の子どもたちが何人かいて、よい結果が出ているし、西洋医学のお医者さんが再生不良貧血の子を彼のところに送ってくることさえあるそうです。

  ただし、副腎皮質ホルモン剤はすぐやめないといけない。肺を聴診するとおかしな音がするし、気になる。肺炎になる可能性もあるから、レントゲンを撮って見ましょう。そのあと、一番最近の熱が出る数日前から、右肩後ろと左鎖骨のすぐ下が痛かったと言う話をしたら、そこは肺のツボです、ですって! ここに痛みを感じたのは初めてでした。とにかく副腎皮質ホルモン剤というのは、健康になれない以外、何にでもなれる(つまりほとんどの病気になれる)という副作用の恐ろしい薬なので、この薬に頼っているのはゆっくり自殺するようなものなのです。4月以来、もう相当の副腎皮質ホルモン剤を飲んでしまっているので、副作用が出始めて来てしまったわけです。もう随分前、副腎皮質ホルモン剤を沢山飲んだせいでなってしまった慢性胃炎も、ずっと静かにしてくれていたのですが、また痛みを感じるようになりました。

     そこで今日、急いでレントゲンを撮りに行って来ました。撮影後、ほんの少し待つだけで、レントゲン写真と検査結果がもらえました。「大丈夫、何でもないです」と言ってくれましたが、写真ですでに肺炎とか気管支炎とかわかってしまうのだったら、すでに病巣が存在しているということになります。でもお医者さんは聴診でまだ病巣になる前の兆候を聞き取ったわけですから、まだ病巣が写っていないからと言って、決して健康とは言い切れないわけです。

 漢方のお医者さんに今、行ったのは、ちょうどギリギリのタイミングだったわけで、本当によかったと思いました。もしこのまま副腎皮質ホルモン剤を飲み続けるとしたら、必ず近いうちに肺炎か気管支炎になることでしょうし、胃炎の症状も悪化して来るでしょう。月曜日には血液検査に行きます。

 近年、西洋医学のお医者さんの間に漢方医学に関心を持ち、漢方の勉強をする人が増えて来ました。それにつれて漢方の薬を作ってくれる薬局も増えて来ました。関心を持って漢方薬学を学ぶ薬剤師たちがたくさん出て来たからです。今日、私のために処方してもらった液剤は、同量の温水で薄めて飲むようになっています。茶色のすごい色ですが、飲むとちょっと苦いだけで、まろやかな味。飲んだら少し胃が楽になった気がしました。効いてくれますように! 今のところ私の身体は混乱中なので、薬は一週間分。その後の様子で、必要ならまた組み合わせを変えます。

 胃腸がとても疲れているので、野菜は生で食べずに煮て食べるよう、また油を使った調理は避けて、煮た、消化のよいものを食べるように、とアドバイスを受けました。ただし、ニンジンジュースは続けてよいそうです。コーヒー、甘いもの、乳製品、アルコールはダメですって。乳製品に関しては、私はチーズはほとんど食べないし、牛乳は2ヶ月前からやめて豆乳にしていますから、ほとんど問題はありません。アルコールも、もともとほとんど飲めないので、こちらも問題なし。でも、たま〜にちょっと甘いものくらいは食べたいなあ。コーヒーは胃にきついので、ここ数日飲んでいません。コーヒー中毒にはなっていないので、ずっと飲まなくても全然平気。ただし眠気が覚ませないけど。

  

2008年11月05日(水) オバマ氏勝利!
  
オバマ氏勝ちましたね! 僅差と言われていたのにふたを開けてみたら大勝利。思わず、ああ、よかったぁ!とつぶやいてしまいました。まだまだ差別感情が残る米国での、初めての黒人大統領(でも彼は白人とのハーフなのになぜ黒人になっちゃうんだろう?)は、米国が民主主義国家としてようやくある時点まで成熟した証と見てよいのでしょうか? でもみんなが嫌がった前任者のつけが全部回ってくるわけだから、前途は多難です。そこで問題が起こった時、オバマ氏の手腕や、情勢に原因を求めるのでなく、「黒人が大統領になったからだ」と言うとしたら、その成熟は偽物だったことになります。ものすごい多難が予想されるので、正直言って、「神様、どうかオバマ氏の前途をお守り下さい」と祈りたい気持ちです。彼の幸運と前進を心から願いつつ。

 

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